管理人から。
- 随分更新していませんでした。実はここまで落ち込むかというくらいの受注の落ち込みぶり・・・震災特需なんて言うのは、歯科技工には起こるはずもありません。噂によれば、大震災後の落ち込みで千葉や茨城のラボ経営者が自殺されたという話も入ってきています。ソースが分かっているだけに嘘とも思えず、人事では無いと思っています。
- 一方で、リストラされたまま腐っていた友人が再就職したところは、連日連夜の午前様ということで、中年を過ぎたブランクのある技工士にはちと辛いところ。あるところにはあると思う以上に、歯科技工士が機械として酷使される歯科のビジネスモデルに疑問を感じるところ。
- それに加えて、家人の入院手術という経験をした。そこで医科のビジネスモデルと歯科のビジネスモデルの違いを嫌というほど実感したのだが。
- 医科と歯科とで医療にどんな違いがあるのだろうか?医療なのかビジネスなのか?医科もビジネスではあるがそれでも、差額徴収のような面では、歯科のような医療内容の差額なのか?診療内容や診療技術の違いから来る差額なのか?材料の違いによる差額なのかといった疑問はなく、差額があると説明されたのは入院時の部屋やベットなど謂わば少しだけ快適なベッドや個人的なプライバシーが守られる環境を得られるかという意味での差異が差額となるのであって、手術内容や治療内容に松竹梅があるわけではないのである。
- しかるに歯科の言う差額や自費とは如何なるものなのであろうか?私が聞くまでもなく、業界の皆さんはよくご承知だと思う。そしてそれが歯科技工士が酷使されるか使い捨てにされるかの歯科のビジネスモデルに直結するわけである。
- 医科には自費診療は基本的に存在しない。 美容外科のような診療科目でも、保険が適用されるものも多いし、自費や差額徴収にしても青天井のドクターフィーが請求されるとかではなく、先にも書いたように差額ベットなどの分かりやすい自己負担が、選択肢として示されるだけで、差額なしの入院であっても、実は受ける医療に差はないのである。
- では歯科の自費や差額はどうなのか?これはもうなにがなんだかわからないと言うのが正直なところである。時を同じくして、歯科の差額について2つのサイトが興味深い記事を展開している。合わせて読むと歯科の常識はどれほど身勝手なものなのかが見えてくると思う。
売文家
みんなの歯科ネットワーク『歯科保険制度を考える』
- 医療保険制度のありがたみは、病気になったものでなければ分からないかもしれない。自分が貧乏技工士だから、まともな医療費も払えないから制度がありがたかったのかもしれないが、それでも嫌な顔ひとつせず、負担のかからないようにと気をかけてくれた病院のスタッフにはほんとうに感謝しか無い。
- これが歯の治療だとそうは行かない。そもそも受けられる治療が保険になかったり、あっても青天井の差額を要求されたり。さすがに技工士であればカラクリが分かるから、自費だ差額だと言う前にどこの先生にお願いするかということになるのだが。
- そもそも海外委託に対して訴訟提起という行動に訴えざるを得なかった理由も、問題の背景にある歯科技工士自身の問題意識の無さ関心の無さにあります。
私たちが歯科技工士を名乗れるのも、また、歯科技工士として業務に就く、或いは歯科技工所を自営なり開設できるのも全ては歯科技工士法による裏付けあってのことではありますが、その法文をしっかりと読めば、海外委託などは想定されておらず、逆に歯科医師又は歯科技工士と、はっきりと限定されているものであります。
ならば、歯科技工士の権利や利益は法律によって保証されているのか、現実面では過去の大臣告示や料金問題、歯科技工士の国家試験問題など、国や厚労省行政が果たして歯科技工士という資格や存在を認めていると言えるのか、口先や建前で持ち上げるのではなく、本当の意味で歯科技工士は国家資格として国や厚労省が手当をしていると言えるのかを、裁判を通して問いかけたかったのであります。
- 私たちの問題提起、疑問に対して裁判所は判断を回避しました。
二審での進行協議の提案も、穿った見方ではありますが裁判官からしても、歯科技工士法と言う法律をも含めた歯科技工士問題について、厚労省側や日技、日歯といった当事者組織に和解勧告をしたと言うよりも、厚労省側の意を汲んで、行政上の裁量を守り行政判断の余地を維持するために、取り敢えず形だけでも話し合いを持ちなさい、出来れば和解して訴訟を取り下げなさいと考えたのではないかと思われます。
- この進行協議の提案に対して、提案を受けた側は和解はできないということで、話は流れたわけですが、
- 最高裁からのお達しも何もないまま、異常に暑い夏も過ぎ、駆け足の秋が過ぎようとしています。
歯科技工士のこれまでの歩み、駆け足どころか、その立場は顧られず足踏みを続けてきたように思います。
何も分からぬまま、只、聞こえなかったからという理由で入ったこの業界。今改めて業なのか資格なのかを考えさせられています。
- 先人たちの努力や苦労をひも解けば、それは技工技術の究明や新規材料への開発、アプローチといった歯科医療の発展への当然の務めと共に、歯科技工士と言う存在の確かな主張であったと思います。
- 私たちの先輩たちが、技工を究めて患者さん方へホテツ物を医療物として提供できるようになって居た時に、歯科技工士法は私たちの存在を位置づけるとともに、業務で出来ることにも枠と義務とを課しました。
- 私たち歯科技工士はその法律を国会に通し、法の元で義務を果たし、権利を守るためにお互いが集い話し合い力を合わせて来たものだと言えます。
技術的な研鑽に知識の探求と学問とは、それぞれが当然行うものとして、勿論教え合い高め合うのは私たちの義務ですが、それだけでは出来ない歯科技工士の社会的な認知や権利や生活権の確保には、ただ、技術とは別な歯科技工士達の力と集まりが必要だったのだと思います。
- 歯科技工士会は、まさにその為に生れたものではなかったのか?
技工と言う業が行えればそれで良しと言うものではない、歯科技工士の権利や生活を守ってこその歯科技工士会だと言えやしないか。
- 先輩たちの話を聞けば、酒井会長の頃までは、人間歯科技工士の為の組織であったように思う。 酒井会長の元で専務理事であった佐野氏にしても、国会での説明は歯科技工士の生活の為の証言と言うべきで、存在と権利そして生活できる対価を求めてのものだったと思う。
- しかし、その佐野氏が躓いた。
歯科技工士法自体、歯科技工士達が作ったと言うより、歯科技工師と言う存在の躍進を恐れた日本歯科医師会が目的を持って作ったもののようなのである。
勝ち目はなかったのかもしれないが。
- その時から、人間である歯科技工士の権利を確立することや、存在を確かなこととする為の動きが、日技と言う組織から消えたのかもしれない。
少なくとも、数で業を確立すると言うやり方が生まれてくれば、人間歯科技工士の権利など邪魔でしかないのだろう。
- 佐野の後を強引に奪った中西日技は、厚労省や日歯と時に対立し、時に歩みをともにしながら、技工業の業権だけを強く残そうとしてきたように思う。
歯科技工士個々の収入や生活や就労環境が良くなる訳ではないから、搾取に疲れた技工士達は生きる為にどんどん個人で開業して行った。
- 歯科需要が右肩上がりに増えると錯覚されていた事もあり、歯科技工士が必要以上に養成され業界に入ってきていた事もあり、保険制度の上限もあって、技工単価は上がる気配も見せずに、歯科技工士達は只押し出されて行ったのである。
- そんな状況に変化を生みだしたのは、やはりインターネットの普及であろうか。
時を同じくして、専門誌QDTも動いた。日技の広報誌になって居た歯科技工では編集後記に取り上げられる位が関の山だった歯科技工士の現状が、業界の隠れた支配者である某精密の社長や、日技中西との対談などとして紙面に載ったのである。
- 秘密が秘密で無くなった。企業組織の存続だけを必須とする歯科技工企業と、厚労省、日本歯科医師会、歯科医療関連企業の利害は一致している。
歯科技工士資格の有名無実化は彼らの共通目的となったのである。
- 今後、歯科技工士の養成機関も、残されるものは大学化もあるだろうが、それは管理者的な歯科技工士を養成する目的になって行くのではないのか。
実際に技工を行う者たちの養成は、短期的な研修や講習で済ませてしまうかもしれない。
厚労省の法体系を俯瞰すれば、歯科技工士法もまた衛生法を構成する分野に入っているのであるから、食品衛生管理者と同じような扱いになって行ってもおかしい事ではないだろう。
- 日比谷音楽堂での国民集会に参加をして、私は改めて歯科技工士も医療職の仲間でありたいと願った。
医師も看護師や介護士、理学療法士や言語聴覚士、臨床検査技師やあらゆる医療職が、医療の存続の為に戦っている。
- 中には少数だが勤務歯科技工士も居た事だろう。
歯科医師や歯科衛生士、歯科技工士も希望を持ちたいと願っているはずである。
どんなに技術がコンピューター化して行っても、動かし結果を出すのは彼らと同じ立場の歯科医療専門職であるべきだと。人間が人間を支え寄り添い続ける医療がなされるべきであり、どんな最先端技術も人の心や希望があって初めて具現化し生かされるのである。
- 国の定めた、皆保険制度や歯科医療の内実に、絶望しているのは何も歯科医師だけではないのである。
しかし、余裕を無くした歯科医師達はそれすらも気づかず、ただ金の生るものとしてホテツ見る。果実だけを求めるのである。
- 今やこの国自体が、果実だけを求め、豊饒な日本国と言う土地(社会基盤)の存在を忘れ去ろうとしている。
歯科技工をもう一度、人間である歯科技工士が行い得る、人の為の行為として国民の為に取り戻したい。
裁判の結果に関わらず、人間脇本の戦いは続く。
- 過去のニュース記事はこちら
- 今回は保団連の宇佐美歯科代表をはじめ、保団連の歯科医師の皆様が陣頭にあたられ、そこかしこに歯科医師の感じる海外技工の危さと共に、単純に海外委託の問題ではなく崩壊する国内歯科技工、ひいては国民のお口の健康と安心とを守れなくなると言う、歯科医療の危機があぶり出されたものとなりました。
それについては問題提起された成田歯科医師のみならず、ご出席いただいたシンポジスとの発表と発言からも、より専門的な視点からの潜在的な危険や、消費者でもある国民、患者さんに及ぼすであろう危険性や危惧について、それぞれ真摯な思いが述べられました。
国民歯科医療の最前線に居られる歯科医師の皆さんや、歯科関連メーカー、そして消費者たる国民の皆さんも知らぬ間に、厚労省通達によってここ数年で爆発的に広がった海外技工の現実。
一番の被害者は当然ながら何も知らされぬ国民であり、歯科業界がこのまま沈黙していては厚労省の思惑通りに歯科業界が加害者となってしまい責任のすべてを負わされることとなるのでしょう。
国や厚労省の歯科医療敵視、歯科医療無視の政策が、国内歯科技工の現況に集約され国民無視の歯科医療崩壊へと向かっている事と、それを心から危惧する歯科医師のみんさんの言葉がわが本部の力となったことは疑いようがございません。
-
今日の歯科ニュースの記事に置いて、日本の歯科企業の一つが、中国に進出する事を報じていました。中国から日本へのラボの進出ばかりが話題になっていますが、成長し続ける中国と言う市場に日本の歯科医院のサービスを持って進出しようと言う事でしょう。とすれば、当然でありますが虫歯や口腔の疾患に対する日本の歯科医師の素晴らしい医療を提供すると言う事なのだろうと考える訳ですが。
- しかし、記事を読む限り、日本人歯科医師が提供する歯科治療や治癒へと導く歯科医療を提供すると言うより、日本人歯科技工士の存在を前面に立てて、歯科ホテツ物を提供する、売り込むと言うイメージを持ちました。
- これはこれで私たち日本人歯科技工士の存在を認めてくれているのであろうとは思いますが、では日本国内ではどうなのでしょう。
- 日本学術会議(http://www.scj.go.jp/)では「日本の展望-学術からの提言2010」を発表しています。その中に歯学委員会がまとめた歯学分野の展望もございます。日本学術会議HPからご覧ください。
当HPでは歯科技工分野を抜粋してPDFファイルとしてあります。
- 違法入れ歯を許すな!!新ポスターが完成しております。印刷してご利用ください。こちらをクリック→
- 今回の通達は、従来の主張の通り全ての責任は歯科医療の当事者である歯科医師にあるものとして、行政上の厚労省の責任については、この様な通知通達を出したからそれで十分と言う事か。
- 厚労省がこうしなければならないと言う、通達の内容は指示書への指示内容の明示や詳細な指示、使用材料の確認や事前調査など、歯科医師側へのより細かな指定や指示、診療録等の記載を求めている。義務化のようになっているが、通知通達であるから、罰則の有無は分からず、現場の不安を払拭するものとは思えない。
- そもそも17年度通達からして、海外委託を合法化するような内容であり、悪意ある者たちからすれば、お墨付きを得たように受け止められ、その結果がTBSの報道に繋がったのである。
- 国民の歯科医療不信、不安の根源は、通知通達を乱発して歯科業界を縛り、守れと高飛車に言う事ではないと思う。歯科技工士法とは相容れない海外委託の是非、そもそも歯科医療で使用される金属材料は安全なのか、そして、全てを歯科医師の責任に押し付けて、それで安心安全を担保できると言い切れるのか。
根本的な問題には目を向けず、歯科医療不信を作り出しているのは、まぎれもなく厚生労働省の施策にもある。
- ほぼ連日のように更新しておりますが、TBS報道特集NEXTの前回放送を受けてから、今まで以上に様々な情報がよせられ、また、これまで見落としていた事にも、スポットライトが当たり出しています。
- とりわけ国民の関心を引きそうなのが、アレルゲンとしての危険性が早くから叫ばれていながら、あろうことか国民の健康に直結する歯科医療保険の使用金属に、その危険性のあるニッケルクロム合金が早くから保険収載されていた事です。
- 当時は今ほどアレルギーについて知られていなかった事もあるでしょうし、多くの患者さんに使用されるようになって、初めて症状が発現してくる訳です。特に金属アレルギーと言うものは発症するまで何年も掛かるようです。臨床治験で問題なくとも、その後に出てくる人もある訳です。そのような患者さんの発生を、今においてもですが、厚生労働省や中医協と言ったところは、「ありうる事」として対処したり想定しているのでしょうか?
- 日本で法的にカバーできていたとしても、外国ではなされていないところが大半でしょう。真に国民の健康と安全の利益を思うのであれば、本来歯科医師にだって責任を持ち切れない物事について、裁量権の問題だなどと言わずに、国として出来うる限りの方策を取っていただきたいと思います。
- 福島県歯科技工士会郡山支部が、歯科技工の携帯情報サイトを開設。 当HPからも情報提供していくことになりました。ご利用ください。
→http://gikoushi-navi.net/itaku.php
- 今回、トップに大阪府歯科技工士連絡会の記事を掲載いたしました。 このような有益な情報は広く皆様にお知らせいたしたいと思います。
全国にはHPを持たない歯科技工士会や歯科技工士の勉強会なども多数存在すると思います。 そのようなところで、広く周知したいような企画や情報がございましたら、脇本か私まで遠慮なくご連絡ください。(管理人)
- 第二回歯科技工士シンポジウムの記事をまとめました。
- ご存知か分かりませんが、一部コンサルタント会社が歯科技工物の品質保証をビジネスとする過程において、当訴訟やHP内容を利用されているようです。
歯科技工物の安心安全、品質の向上は業界全体が責任を持って対処せねばならない事です。 一企業の努力を否定しませんが、できれば国民的なコンセンサスとなり、国民の誰もが良い品質の歯科技工物を提供され、歯科医療の信頼が高まる事を願っております。
- 脇本代表からの声明です。
- 本部ブログ並びに管理者のブログに、海外委託業者やビジネスとして展開している歯科医師からのコメントが入りました。建前はどうあれ本音の部分が大いに読み取れます。ぜひ一読して下さい。
- 本部ブログ→
- WEB歯科技工士会→
- 「政権交代」 これが、8月30日に行われた衆議院選挙で国民が出した答えでした。
政権が民主党に変わったからと言って、劇的に変化が起きるとしたら、それは政府や官僚システム、政治の話であって、歯科医療の現場での話ではありません。
国民の生活に直結した歯科医療が変わるには、民主党や政府が代わってやってくれるというような期待をすることなど、それこそ問題です。
- 民主党や政府への期待を持つ事自体は、悪いことではありません。 だが、期待だけでは何も変わりませんし動く事も無いでしょう。
そうではなく、これまでの無関心、他人任せや組織依存を振り切り、私たちが行動し、声を上げて変えていく意思を持つ事が大事なんだと思います。
- 私事ですが、どの政党に投票するのかと言う決定を下す上で、大きな判断材料になったのが、各政党のマニュフェストも勿論ですが、そこに現れない、例えばこれまでの与党の歯科政策、組織の関わりなどですが、決定的だったのは選挙期間中に新日本歯科医師会が行った、各政党への歯科医療政策に関する公開意向調査でした。
- 個人では何も出来ないと諦めていたのが、これまでの現実ですが、例え個人や少数であっても、はっきりした意図を持って、各政党に働きかければ、確かな手ごたえを得られる事がはっきりしました。
各政党への公開意向調査(2009年8月総選挙での各政党の歯科の政策)
スクロールしていけば、各政党の回答が読めます。
- このように、しっかりと歯科医療政策を取り上げてくれる政党が、これからの政権を担うわけです。
ただ呆然と見ているのではなく、歯科医療者の一人一人が、安全安心な国民の歯科医療に寄与してゆくために、例え一人であっても声を出し、行動していく人間へと変わる事が、求められるのだと思うのです。
- 医療法、健康保険法、歯科医師師法や歯科衛生士法、歯科技工士法など、それぞれの法律はあっても、そして制度と言うものがあっても、その制度を実質的に支配し動かし、決めてきたのは政治家でも組織でもなく、本来は国民に奉仕するべき立場の官僚たちでした。
- 私たちが仮に政治家を動かし、法律を変えたとしても、旧来の仕組みの中では、制度自体を動かし支配する官僚に対しては意味を成さないものでした。大臣告示などはその最もたるものでしょう。
- 政権交代で変わって欲しいとしたら、まさにその部分が変われるかどうかです。
法があっても制度は別。 そんな官僚制度にははっきりとノーを言い決別するべき時です。そして業界のエゴからも。
- 最初のページで直感的に見たい記事に飛べるようなレイアウトを考えています。
これまでのものは、とにかく読んでいただきたいとの思いから作成してまいりました。
しかし、どこに何があるのか、すごく分かりにくい。反省してます。
- これまでのものは、とにかく読んでいただきたいとの思いから作成してまいりました。
しかし、どこに何があるのか、すごく分かりにくい。反省してます。
- どーするのと問いかけて、どれだけの方が業界の指導的な方から「どーする」と明確に指針を示してもらえたのでしょうか。
これまでのどーするには、大臣告示もありましたし、歯科技工士法の改正もありました。 日技であれば有識者懇談会を経て答申を頂いたとか、生涯研修をしていますとか、会長が国政選挙に立候補してとかあります。 政治連盟を使って国会議員に働きかけますとかもどーするの範疇でしょう。
- 個人個人が腕を磨き技術を高め、高品質のものを提供する或いはすればいいとの主張も、どーするの一例です。しかし、これらはすべて歯科技工士の側の理屈です。
日本国民、そして患者さんにとって一番大事なことは、安心安全な歯科医療がこれからも変わらず受診出来るのかだと思います。 それはどう言う事かと言えば、歯科医療が変わらず存在できるかどうかという事なんです。
- 私たちは何を持って歯科技工を業として行えるのかを、また、歯科技工士を名乗れるのかを深く考えずにこれまで来ました。 人によっては医療などと関係ない、歯科技工士法など無い方がいいと公然と唱える人も存在します。 それは私たちが歯科技工士というものにあまりにも無知だからであると思います。
- そしてまた世の中に歯科技工士を含めた歯科医療者が存在するから歯科医療があるのだと思うのは、我々のエゴでしょう。 まず国民と患者さんとが居り、治療を受けたい、受けた治療の先としてホテツをお願いしたい、そこで初めて委託技工の需要が起きるのです。
- 国民も患者さんたちも、何も歯科技工士が居るからとか、歯科医療者が困っているからといって、受診してくれる訳ではないのです。 そんな義務も義理もありません。 口腔疾患や虫歯など無ければ歯科医師なども必要ありませんし、歯科技工士もまったく要りません
。
- 例え患者さんが口腔疾患や虫歯や歯が無い事で困っていたとしても、じゃ、歯医者さんに行こうかと成らないそれが現実だと私は思います。 そしてその現実こそを「どーする」のかを考えることが、実は歯科技工士法を考え歯科技工を、歯科技工士を考える事なのです。
私たちが歯科技工士であれば、そして高品質なホテツ物を提供しさえすれば患者さんが来るというのはもう現実的ではありません。
- 大事なことは私達に何が作れるかではなく、国民、患者さんが安心して歯科医療を受診できる環境にあるのか?国民、患者さんの信頼に答え得る歯科医療、歯科医師や歯科衛生士、歯科技工士なのかと言う事でしょう。
- エゴと既得権と保身にまみれた歯科医療業界は、国民や患者さんという一番大事な存在を何一つ考えずにこれまで来ました。 自分たちが拠り所とするべき医療保険制度をないがしろにし、法的な根拠となる歯科技工士法を知ろうとも守ろうとも高めようともせず、逆に貶め否定しているような業界に、誰が信頼や期待を寄せることでしょうか。
- どんなに腕を磨き、知識を蓄えたところで、国民や患者さんの信頼が得られければ、歯科技工士の存在など何の意味持ちません。 医療や社会保障の中で、日本国の法として確かに存在する歯科技工士法を法として機能させ法の効力を発揮させてこそ、国民や患者さんが信頼し、その信頼に応えられる歯科技工を成し得るのです。
- 私たち歯科技工士は、歯科技工士法をないがしろにする事で、私たちが存在しうる社会環境というものを自主的には何一つ考えてこなかったのです。 まさに「どーしたらよいのだろうか」と自らに問うた答えとして起こしたのが訴訟という行動なのです。 (久保田)