☆控訴審 進行協議に向けて☆


■ 国は歯科技工海外委託訴訟の和解に応ぜよ!

第三回控訴審での山崎裁判長からの「進行協議」提案を受け、当訴訟団は精力的に準備と関係諸団体との交渉を進めて参りました。
4月15日の進行協議の席でも、国側代理人は席に着くことすら拒否したと漏れ聞いております。

表に出てくる歯科医療の状況は、この世界的な経済危機の真っ只中でも、インプラントなどの自費医療に狂乱している歯科医療者の姿です。
歯科疾病に苦しみ、生活と社会負担に追われる国民や患者さんへの配慮よりも、自分達のエゴと都合だけが優先し、医療保険制度の現実を正しく伝える努力もせず、歯科も医療なのだと言うことを忘れたかのようです。

国が頑なな態度を取るのも、むべなるかなとさえ思えます。

しかしそれでは国民は救われません。

私達が戦うのは、歯科医師の影で無責任を謳歌し続ける為ではありません。
国と馴れ合って自らの責任を放棄するためでもありません。

歯科技工士が歯科技工士としての責任を果たしてこそ、患者さんや国民に対し、健康や安全に付与する歯科医療ホテツ物を提供できるのだとの信念からです。

弁護団の川上弁護士と脇本代表とは、15日以降、積極的に行動し着々と事を進めております。

「国は歯科技工海外委託訴訟の和解に応ぜよ!」

これはそのお二人から原告団を代表しての国への呼びかけであります。


国は歯科技工海外委託訴訟の和解に応ぜよ!

 日頃から歯科技工海外委託問題訴訟についてご支援いただきありがとうございます。
 歯科技工の海外委託問題は,歯科技工士制度の根底を脅かし、ひいては国民の安全な歯科治療の実現を脅かす深刻な問題です。
そこで、私たち歯科技工士有志80名は、2007年6月,歯科技工士制度を維持・充実させ、国民の安全な歯科治療を実現することを求めて、東京地裁に訴訟を提起しました。

2008年9月,東京地裁は残念ながら私たちの請求を退けました。しかし、原告らは直ちに控訴し、現在、東京高裁で審理されています。

 本年4月15日の第3回弁論で、裁判長は進行協議を設けることを提案し、和解による解決が可能か検討することになりました。
 私たちは,裁判所での協議の中で,歯科技工の海外委託問題の解決のために、歯科技工の海外委託問題を検討する機関を設置することを検討するように国に呼びかけています。
この機関の構成メンバーには、厚生労働省はもちろん、日本歯科医師会や日本歯科技工士会など歯科医療関係者や、国民の視点からこの問題を検討するために消費者団体関係者等の参加を求めています。

原告団及び原告弁護団の中からもメンバーを選出してもらいたいとの要望も述べております。
この機関では、歯科技工の海外委託問題について、新たな法的整備も含めて多角的観点から検討することが望ましいと考えています。

 歯科技工の海外委託問題については、国はこれまで実態調査すら行ってきませんでした。
ところが、私たちの提訴後、厚生労働省はこの問題の研究班を設け、調査研究を進めてきました。
本年4月、その調査結果は「歯科補綴物の多国間流通に関する調査研究」と題する報告書にまとめられ公表されました。
公表された調査報告書にも、すでにいくつかの問題点が指摘されています。

 なお、厚生労働省の上記実態調査は、あくまでも「歯科補綴物の多国間流通」に関するものです。
上記調査テーマに照らせば、,歯科技工の海外委託による影響を受けている歯科技工士の実態は 、調査の対象外であると思われます。

さらにこの報告には、国民の安心安全にどのように繋がるのか全く見えてこない内容ともいえます。
その点で、厚生労働省の実態調査は極めて不十分です。

また、「平成17年通達」の実効性や、海外委託の歯科技工士への影響等の調査が必要であると思われます。 

歯科技工の海外委託問題に関してはこれまでも様々な問題点が指摘されてきました。
ところが、これまで、この問題について関係者による協議の場すら設けられてきませんでした。
そこで、私たちは、歯科技工の海外委託問題の解決のために、機関を設置することを検討するよう国に呼びかけるとともに、その機関の構成が偏ることがないようにするために、消費者団体等からの参加者や、原告団等からの参加も確保するように要望をだしております。

控訴審の途上で、裁判長より「進行協議」の提案がなされ、歯科技工士制度の維持・充実・発展に向けた、将来に繋がる実効性のあるこのような検討機関を設けることが最善の策ではないかと判断しました。

私たちは、このような内容の和解がまとまるならば、これまで放置されてきた歯科技工の海外委託問題の解決へ大きく一歩前進するものと確信しています。
私たちは、みなさんにこの裁判の現在の局面を正確に理解していただくとともに、この和解を成立させるために、全国各地からより一層私たちの裁判への支援を強めて頂きたくお願い申し上げます。
                                   
以上

                                  
2009年4月30日

           
歯科技工の海外委託問題訴訟弁護団  弁護士  川 上 詩 朗

            
同    原 告 団  代 表  脇 本 征 男



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